口腔内環境が悪化すると全身に危険が及ぶ!
2020年05月04日
「20本以上の歯がある人と、19本以下の人の野菜摂取量に差があるという研究もあるんです。残っている歯の本数によって食べられるものが少ないと、取れる栄養分にも偏りが出てきてしまう。歯が抜けた本数が多いほど肥満や生活習慣病になりやすかったり、善玉コレステロールが減るという報告もあります」
噛む力が低下すると軟らかいパンやおかゆ、うどんなどの炭水化物に偏りがちで、血糖値が上昇しやすく、糖尿病につながる恐れがある。歯は主にカルシウムとタンパク質からつくられるため、噛めないことでそれらの栄養素が不足しがちになって、丈夫な歯がつくられない。筋肉も維持しづらくフレイル(健康と要介護の中間的な段階)に、そして将来的に寝たきりや死亡リスクも上昇する。
「歯がなくなると、口のまわりに縦ジワができやすくなり、見た目も老いていきます」と望月氏。
噛めなくなると脳の老化スピードが速まるという報告もあり、認知症を発症しやすくなる。脳と体の健康、食事の楽しさ、美容面に影響を与える「歯の本数」は、“生きる力”に直結するといえよう。